Sustainability Research 011 ロドルフォ・シェーネブルグ(後編)

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Munich / Germany

3)おそらく小さなクルマが世界じゅうのトラフィックにかなり大量に流入すると考えられますが、その時のトラフィック上ではどのような安全の問題が生じるでしょうか。

小さなクルマと大きなクルマの間のコンパティビリティ(互換性)は、多くの自動車メーカーにとって問題となるでしょう。
しかし、私はこれがダイムラーにとって新しい挑戦であるとは思いません。私たちにはスマートを通した12年以上の経験があるからです。

衝突の間に他の相手の車のクラッシュゾーンを活用できるその堅いトリディオンセーフティセルで、スマートは小型車の設計ルールを変革しました。
私たちは、正面衝突のわずかな瞬間に、乗員を保護するのに外側と内側の変形ゾーン両方を使用します。
そのために、スマートはその小型自動車のコンセプトに適応した精巧なエアバッグとシートベルトを備えていました。
スマートは、世界中のすべての法的必要条件と格付けを実現させるように設計されています。その上、メルセデス‐ベンツ事故調査部によって定義される9つの事故構成下でテストされているのです(資料p6)

4)小さなクルマにはどんな技術が必要でしょうか。
逆に大きなクルマには何が必要でしょうか。
大きなクルマには今まで以上に小さなクルマを守る義務が生じると思いますが。

私たちは、コンパティビリティを評価するために、例えばS-クラス対スマートといったクルマ対クルマのクラッシュテストを行なっています。したがって、小さいクルマと大きいクルマの両方が、互いにコンパティビリティを提供するように設計されていなければなりません。
まず最初に、幾何学上の互換性が必要です。例えば、異なったタイプのクルマのバンパーは、衝撃の間、お互いに当って、負荷を分配しなければなりません。

2番目に、変形挙動にも互換性が無ければなりません。
したがって、大きいクルマは、小さいクルマの乗員を保護するためにもより大きなクラッシャブルゾーンを提供します。
そのためには、小さなクルマには、堅い乗員コンパートメントを持っている必要があります。

そして、3番目に、乗員保護補助装置は乗員を傷つくことから守ります。
さらに、すべてのクルマは、事故の影響を減らすためにBASのようなアクティブセーフティシステムを備えている必要があります。