Vehicle Safety Course in Bangkok Thailand 開催さる
2019年8月6日(火)、タイバンコックKung Mongkut's University of TechnologyにてVehicle Safety Course in Bangkok Thailand 開催された。
Vehicle Safety Course in Bangkok Thailand はMotorcycle Safetyをテーマに各社、各機関によるプレゼンテーションやデモンストレーション・展示が行われ、タイのメディア、政府関係者、NGO関係者、教育関係者など100名ほどの参加者があった。
プレゼンテーション会場風景
プレゼンテーション
以下のプレゼンテーションが行われた。
- ASEAN NCAPによるプレゼンテーションIntroduction & Progress since 2011のプレゼンテーションが行われた。2021年から2026年までのANCHORⅡにおけるプロトコルの進捗及びANCHORⅢ、ANCHORⅣの取組予定も発表された。
- ContinentalによるプレゼンテーションInnovations to increase riding safetyと言うテーマでプレゼンテーションが行われた。ABS、ESCなどに関する取り組みも紹介された。
- Autolivによるプレゼンテーション主にドイツ、インド、中国との交通事故データを比較したMotorcycle Rider Protection Defining the Crash Load Cases as a Critical Review of ISO 13232に関するプレゼンテーションが行われた。モーターサイクルエアバックについての発表も行われた。
- FAMIによるプレゼンテーション(代表A.P.Honda)The Asian Motorcycle Industry's Approach to Road Safetyと言うテーマで、タイの交通事故実態調査を踏まえながらMotorcycle Safetyに二輪産業がどう対応して行くかが話された。
- Bridgestoneによるプレゼンテーションブリジストンの事業紹介と二輪のタイヤの構造について、雨天時やカーブ時の接触面なども含めて多岐に話された。
- KoitoによるプレゼンテーションAuto Hi-Beam –“ADB System Adaptive Driving Beam”をテーマにプレゼンテーションが行われ、オートハイビームをメインに小糸が考えるADBシステムの未来の紹介などが話された。
- NissanによるプレゼンテーションNissan Intelligent Rear View Mirror – ITS Functions and Benefitをテーマにインテリジェントリアビューミラーを」中心としたプレゼンテーションが行われた。(プレゼンテーション後デモンストレーションの実施)
- Toyota/DaihatsuによるプレゼンテーションBlind Spot Detection systemをテーマにトヨタのブラインドスポットモニターのプレゼンテーションが行なわれた。(トヨタのBlind Spot Systemの場合は時速20kmに達しないと働かないため、速度を出す十分な距離が今回のデモで確保出来ない。その為不参加。)
- HondaによるプレゼンテーションConsideration about The Effectiveness of Blind Spot Visualizationをテーマにホンダのレーンウォッチシステムのプレゼンテーションが行われた。(プレゼンテーション後デモンストレーションの実施)
- DensoによるプレゼンテーションSafety Assist Technologyをテーマに総合的Road Safetyのプレゼンテーションが行われた。その中で特にMotorcycle Safetyには欠かせない各種detective systemが紹介された。
- President & CEO, Towards Zero FoundationのDavid Ward氏によるプレゼンテーションGlobal Vehicle Safetyをテーマにプレゼンテーションが行われた。その中で、125cc以上の二輪にはABSの装着の義務化(欧米日は既に義務化)、125cc以下の二輪もCBSなどの装着の義務化推進の国連での決議の報告と、義務化への浸透を図りたいと言う意向が話された。
デモンストレーション会場風景
デモンストレーション
以下のデモンストレーションが行われた。
- Honda のCBSのデモンストレーションCBSの装着時、未装着時の比較デモンストーレーションを行なった。世界のNCAP関連のイベントとしては初めてのデモンストレーションの実施で、ホンダ二輪事業部としても世界的なアピールになったと思われる。
- ASEAN NCAPが行なっているMotorcycle ABSのデモンストレーションABSの装着時、未装着時の比較デモンストーレーションを行なった。ウェット路面を作るのに手間取った感がある。
- Hondaレーンウォッチシステムのデモンストレーション静的な状態でドライバーの死角となる左後ろにバイクを置き、センターコンソールのナビシステムの画面に写し出す。かつてタイで行なったデモンストレーションでは全くの不人気であったにも関わらず、今回は最も人気を集め人が集まった。その場で3台の制約もあった。
- Nissanインテリジェントリアビューミラーのデモンストレーション静的な状態で死角となる右後ろにバイクを置き、後方の複数のカメラで写した映像を一つの映像として室内のバックミラー画面に表示した。
デモンストレーション会場風景
展示会
展示はASEAN NCAP、Bridgestone、Denso、Continental、Toyota、ASEAN NCAP、Autoliv、Koitoなどの展示があった。
展示会場風景
Motorcycle Safetyをメインテーマにタイで開催された今回のイベントは、多くのタイの政府関係者やマスコミの方が来場され、産官学合わせた二輪の交通事故軽減対策の進展のきっかけに十分貢献できたと思われる。
ここでは、四輪側のADAS SystemやPre-crash Safety Systemのプレゼンやデモ、二輪側のRoad SafetyのプレゼンやABS、CBSのデモが行われた。
また、二輪運転者の運転技術向上や意識の向上の必要性も提言された中で、四輪と二輪の包括的Road Safetyを考える場を提供できたからである。
今回のイベントを、四輪と二輪の第一回目のcollaborationと位置付けるとASEAN NCAP Protocol(ANCHORⅡ)も踏まえ、道路づくりや法律や教育も含めた総合的なRoad Safetyを目指す事になっていくことだろう。
ASEAN NCAPに関して言えば、今回のイベントでは初めて二輪メーカー側が参加した。それによって今までは四輪から見たMotorcycle Safetyの対策だったが、二輪メーカーの参加によって、今後二輪から見たMotorcycle Safetyの対策も検討することができるようになった。
そして、それは全く新しい概念のASEAN Motorcycle NCAPの構築へと繋がる。ASEAN NCAPは二輪NCAP先駆者となり、世界のMotorcycle Safetyに大きく貢献できるだろう。
アフリカ、南アメリカなどにおいては、それがスタンダードとなることだろう。勿論ヨーロッパや北米にも影響を与えていくことは間違い無いであろう。