VEHICLE SAFETY WEEK 2019 IN MELAKA開催される。
マレーシアのマラッカで10月21日から26日VEHICLE SAFETY WEEK 2019 IN MELAKAが開催された。
これは、MIROSとASEAN NCAPが主催しROAD SAFETY の重要性に関する知識を伝え意識を高めるとともに、ASEAN地域で現在利用可能な自動車に関するVEHICLE SEFETYのための技術と製品の紹介、そして安全知識を促進するためのイベントとして行われた。
会期中には合計8つのセッションが毎日午前中に、午後からは毎日クラッシュテストが行われ、23日の副首相Wan Azizah Wan Ismail氏がお見えの際はBMW3シリーズのクラッシュテストが実施された。
各セッション会場入り口
副首相Wan Azizah Wan Ismail氏スピーチ
BMW3シリーズのクラッシュテスト
開催概要は以下の通り。
- 開催日:2019年10月21日 (月)〜26日(土)9:00〜16:00
- 開催場所:MIROS PC3 、Road Transport Academy of Malaysia
- 参加者:政府機関、自動車安全の専門家、交通安全の専門家、マレーシア及びASEAN地域を中心に世界各地の研究者、マスコミ他
- イベント概要
【午前中のセッション】
21日 SEMINAR ON ROADSIDE SAFET
21日 MOTORCYCLE SAFETY & TECHNOLOGY SYMPOSIUM
22日 TOWARDS AUTONOMOUS
23日 PASSENGER VEHICLE TECHNOLOGY AND SAFETY SEMINAR
23日 JAPAN CRASH TEST TECHNOLOGY FORUM
24日 ABELLING SYMPOSIUM
25日 HEAVY VEHICLE SAFETY WORKSHOP
26日 CHILD OCCUPANT SAFETY SYMPOSIUM
【午後】
クラッシュテスト(毎日)
セッション会場風景
21日の午前中は2セッションあり、一つはSEMINAR ON ROADSIDE SAFETもう一つはMOTORCYCLE SAFETY & TECHNOLOGY SYMPOSIUMが開催された。
MOTORCYCLE SAFETYはASEANにとって取り組まなければならない主要課題であり、2021−2025の新プロトコルにもMOTORCYCLE SAFETYが加わっている。
同時に別会場でMOTORCYCLE SAFETYに関するANCHOR Ⅱ関連の会議も行われていた。
MOTORCYCLE SAFETY & TECHNOLOGY SYMPOSIUMでは、FAMIからはタイの二輪車の事故原因の調査結果から、二輪車産業界が取り組まなければならない課題についてのプレゼンテーションがあり、UTACからはUTAC が取り組んでいるMUSE(Motorbike Users Safety Enhancement) Projectの説明が行われた。MIROSやマレーシアの企業からもMOTORCYCLE SAFETYに関連する様々なプレゼンテーションがあった。
22日の午前中はTOWARDS AUTONOMOUS のセッションが開催された。
ASEAN NCAPからは自動運転の開発に関して、政策・インフラ整備・国民意識・先進技術・倫理・ハッキングの側面から見たプレゼンテーションが行われ、自動運転の開発に関する欧米・中国・日本の現状なども紹介された。
ホンダからはHONDA SENSING というテーマでCollision Mitigation Brake System・The Road Departure Mitigation System・Low Speed Following・Lane Keeping Assist System・Auto High Beamのプレゼンテーションがあり、その他の企業や研究機関からGPSシステム、衝突事故のアプリケーション開発、テクノロジーから見た自動運転の可能性や衝突事故を避けるための数学的解説に関するプレゼンテーションも行われた。
23日は副首相Wan Azizah Wan Ismail氏と交通大臣がお見えになるということもあり、午後からは500名近い参加者があった。
この日の午前のセッションは当初PASSENGER VEHICLE TECHNOLOGY AND SAFETY SEMINARのみであったが、18日急遽JAPAN CRASH TEST TECHNOLOGY FORUMの開催が決まった。
PASSENGER VEHICLE TECHNOLOGY AND SAFETYはVOLVOからVOLVOの安全技術の歴史や実験、研究についてのプレゼンテ―ション、CARHSから衝突エネルギーを車の構造を変えエネルギーを吸収するパッシブセーフティーに関するプレゼンテーションなどが行われた。
JAPAN CRASH TEST TECHNOLOGY FORUMでは自動車安全のための日本コンソーシアム(インストロン、保土ヶ谷技研、フォトロン、岩崎電気、シンフォニアテクノロジー、ヒューマネティクス・イノベーティブ・ソリューションズ・ジャパン、昭和航空機工業、大成建設)から最新の衝突試験技術、ADAS試験、試験装置、耐久性試験技術、衝突試験のノウハウ、動力計、シミュレーションパッケージ、排出量測定システム、動的評価ツール、および実証などのプレゼンテーションが行われた。
午後からはMIROS PC3で副首相のWan Azizah Wan Ismail氏と交通大臣がそれぞれスピーチを行い、その後表彰式が開催され 、日本からはトヨタのマジェスティが5STARを取得し表彰された。
そして、15時30分からメインイベントの一つであるBMW3シリーズのクラッシュテストが実施された。
クラッシュテスト会場風景
24日の午前のセッションはLABELLING SYMPOSIUMが開催された。
まず、国内貿易消費者省(KPDNHEP)からSAFET LABELLINGの必要性に関するスピーチがあり、続いてASEAN NCAPからSAFET LABELLINGのガイドラインのプレゼンテーションが行われた。
このLABELLINGシステムは消費者が自動車を購入する際の安全評価をするためのもので、ショールームなど全ての展示自動車のフロントウィンドウとサイドウィンドウに添付される。添付内容はASEAN NCAP安全性評価と世界各地のNCAPの安全性評価を表記する。この施策は本年2019年3月1日から施行されている。
ラベルにはエアバッグカウント、ABS、シートベルトリマインダー、AEB、ASC、ブラインドスポットモニタリング、車線逸脱警報などの安全機能も記載されている。また、ASEAN NCAPのWebサイトに顧客を誘導するQRコードがあり、そこで自動車の安全性レポートを閲覧することができる。
世界各地のNCAPの安全性評価を表記するに当たっては現状各NCAPと交渉中。
その他、CHILD RESTRIN SYSTEM、SIRIMから品質認証システムの紹介などのプレゼンテーションも行われた。
25日はHEAVY VEHICLE SAFETY WORKSHOPセッション、26日はCHILD OCCUPANT SAFETY SYMPOSIUMが開催され、最終日の午後にはBMW3シリーズのサイドインパクトのクラッシュテストが実施された。
VEHICLE SAFETY WEEK 2019はMIROSとASEAN NCAPが主催したROAD SAFETYが主題のイベントで、多くの政府機関関係者、自動車安全の専門家、交通安全の専門家、マレーシア及びASEAN地域を中心に世界各地の研究者、マスコミ他の方々が参加した。毎日100名を超える参加者(副首相が参加された時には500名近くの参加者)があり当該テーマへの関心の高さがうかがわれた。
LABELLINGシステムは 他のASEAN諸国では導入の動きは今の所無いようでLABELLING SYMPOSIUMの際は、ほぼマレーシアの参加者だけになったが活発な質問が多くあった。
VEHICLE SAFETY WEEK 2019 IN MELAKAは、いかにマレーシアがASEANの中で中核的にROAD SAFETYを取り組んでいるかを実証するものとなった。