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UNECE主催による ITC(The Inland Transport Committee)年次総会開催される。
ますます近づく、欧州とユーラシアの内陸輸送。

82回を迎えるAnnual Session of the Inland Transport Committee (ICT)が、世界の国、地域からの20人以上の交通関係大臣と副大臣/国務長官を含めた、約70か国から輸送関連のリーダーおよび主要な関係者300人を超える参加者を迎え、2月24日から28日までジュネーブで開催された。中でも中央アジア、アフリカの参加者の台頭が目立ち始め、また中国資本の重みが増してきた感がある。


国連ビル


各国各機関の代表者の集合写真撮影

ITCは、内陸輸送の分野における国連欧州経済委員会(UNECE)の部門委員会である。内陸輸送は、すべてのUNECE政府にとって優先事項の活動で、ICTの戦略的重要性において、UNECE諸国の経済発展と統合に国際輸送は必要不可欠であり、それには政府間協力が欠かせない。そしてITCの目的は国際輸送の促進および発展と安全性と環境性能を改善することである。
これらの輸送の問題に対処するために、ITCは多くの補助機関を持ち、その課題をITCによって定期的に見直されている。以下がその課題別機関で、当会議の多くの時間は年次通常セッションで以下の課題の見直しに費やされた。

  1. 道路輸送に関する作業部会(SC1)
  2. 道路交通安全に関する作業部会(WP.1)
  3. 車両規則の調和のための世界フォーラム(WP.29)
  4. 鉄道輸送に関する作業部会(SC.2)
  5. 内陸水運に関する作業部会(SC.3)
  6. 複合輸送に関する作業部会(WP.24)
  7. 輸送に影響する税関に関する質問に関する作業部会(WP.30)
  8. 危険物の輸送に関する作業部会(WP.15)
  9. 生鮮食品の輸送に関する作業部会(WP.11)
  10. 動向と経済に関する作業部会(WP.5)
  11. 輸送統計に関する作業部会(WP.6)

前日23日はプレイベントとして、当会議の前週に行われた「ストックホルム宣言」の発表と「Safer and Cleaner Used Vehicles」のセッションが行われた。
24日以降のサイドセッションとしては「カスピ海沿岸地域の輸送開発」「ユーラシア交通回廊2030」が行われた。

「カスピ海沿岸地域の輸送開発」セッションはUNECEとアゼルバイジャン、トルクメニスタン政府との共同開催で行われ、カスピ海地域の輸送開発の重要性とそれによる経済や貿易の発展と持続可能性について議論された。「ユーラシア交通回廊2030」セッションはUNECEと上海協力機構(SCO)との共同開催で行われ、ユーラシアの持続可能な感発目標とUNECEとSCOの主要な役割などが議論された。
この2つのセッションに関しては、中国資本なしには議論できないテーマであった。

会議風景
会議風景

設定とプロトコルの見直しやサイドセッションでの彼らの意欲的な発言が会議に影響を与えていた。
2つのサイドセッション「カスピ海沿岸地域の輸送開発」、「ユーラシア交通回廊2030」では中国の投資に依るところが大きく、ITC において中国資本が注目される立場になりつつあるということも顕在化した。

Side Meeting

UNECE Transport Innovations Section Sustainable Transport Division Meeting Sustainable Communications, Inc.と上記部門で、中古車流通に関する問題点と解決策について議論を行った。

新興国と中所得国への中古車流通は多くの問題を抱えているが、中古車は安価で供給できる量も多く、流通させないという選択肢は考えられない。では安全に中古車を供給するためにはどうしたらいいのか。
オーストラリアでは中古車を監査する機関や会社があり、それに適合しないと中古車を輸出できない仕組みを確立しようとしている。日本の自動車は非常に優れているため日本の中古車は世界に供給されている。そこで日本にも安全に中古車を供給するための方法を提案して欲しいとの要望を受けた。

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