アンドレ・ジーク(後編)
「ユーロNCAPチェアマン、ジーク教授に訊く」第2弾。
今、ヨーロッパの課題は何でしょうか。
我々の調査においてもっと重要なトピックは、センサーに関するテクノロジーです。
それらは、大変興味深い安全面の要素を創り出すでしょう。
たとえば緊急ブレーキですね。
アメリカではCIB(Crash Imminent Braking)、自動ブレーキといわれるものです。
現在は歩行者保護が第一目的のブレーキですが、将来は交通渋滞のときにも役立つでしょう。
我々の課題はまず、「どうやって、これらの新しく登場したシステムをリサーチするか」ということになります。
ドイツはユーロNCAPのメンバーですが、ユーロNCAPは、レギュレーションからスタートしています。
VSPまたはVSC、ESCは、事故データから有効な情報を導くのに大変良いシステムです。
でもどうやって評価基準をアセスメントするのでしょう。
シンプルなテストを行なうときは常にバランスを見つけようと努力しますが、そこには危惧があります。
製造過程ではシンプルテストのみしかできないということです。
全てのシンプルテストは本当に安全性を確保するためには十分ではありません。
もちろん、たった1項目についてでは十分ではありません。
製造過程ではそのシステムのための全ての可能性について、全項目をテストできるわけでもありません。
あまりにも比較するものが多くなるからです。
もしお金を使いたくなければ、安全面には注意しなくてもよいでしょう。
ですから、我々の行なうテストは大変複雑なものになります。
十分に安全であるための機能をアセスメントするためです。
これがよいテストを行なうための、我々のモチベーションです。
Swizerland
たとえば、騒音(noise emission)を例にとりますと、 我々はスタンダードな騒音のテストを行なっています。
排気システムのテストでは、チェンバーが閉まっていて、デバイスは開いているとき、大変大きな音がします。
結果、テストによってのみ排気システムのデザインが可能になります。
これはエンジニアにとってはよい例です。
もしテストをしないと騒音を出すことになります。
このことは、安全のテストについても言えることです。