2020年ANCHOR Ⅲの目指すところと新体制。
ASEAN Automobile Safety Forum 2020日本発開催。
3月3日にJARIつくば研究所においてAASFを開催、ASEAN NCAP ANCHOR Ⅲのスケジュールおよび内容が発表された。しかし残念なことに、その後の世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で、発表されたスケジュールの見直しが必要となるだろう。
2020年3月3日に日本で初めてASEAN Automobile Safety Forum 2020がJARIつくば研究所で開催された。当日のAgendaは以下の通り。
- ASEAN NCAP Collaborative Holistic Research (ANCHOR)の説明
A) ANCHOR Ⅱの進捗と結果報告
B) ANCHOR Ⅲの内容紹介とスポンサー募集 - OASIS (Overall ASEAN market Safety for Scooters)の紹介
- ASEAN NCAP 2017-2020 アセスメントの結果紹介
- マレーシア国内におけるASEAN NCAP結果の掲示制度について
- マレーシア国内における子どもの安全規則について
- Pangkor Islandで開催するASEAN NCAP Grand Prix 2020 & AASF 2020の紹介
当日発表されたANCHOR Ⅲのスケジュールは
- 2020年3月18日:マレーシアのMIROS(交通安全研究所)にてブリーフィング、提案受付開始
- 2020年4月3日:提案受付終了
- 2020年4月15, 16日:提案内容の説明
- 2020年5月15日:採択した提案の発表
- 2020年6月10日:ANCHOR Ⅲ開始
- 2021年5月9日:ANCHOR Ⅲ終了
※スポンサー企業は5月20日までに正式決定が必要となっている。
上記スケジュールは世界的な新型コロナウイルスの影響で変更する必要がある。
スポンサー企業の対象は、1月15日に開催されたANCHOR Ⅲプレミーティングでも述べられていたが、自動車メーカー・サプライヤーに加え二輪車メーカー・タイヤメーカーも含まれる。
今の世界情勢の中で、どのようにして新たなスポンサーにアプローチしていくのか大きな課題であり、Sustainable Communications, Inc.としても惜しまず協力をしていく。
【ANCHOR Ⅲの内容は】
- ANCHOR Ⅲは3つのセグメントに分類されている
- セグメント1(C1):クラッシュテストや障害に関する研究
- C1-1 正面衝突試験の実施
- C1-2 側面衝突の試験内容見直し
- C1-3 側面衝突の際の頭部保護研究
- C1-4 ダミーの設置ポジションに関する研究
- C1-5 横転時のルーフの強度に関する研究
- C1-6 子どものダミー開発と評価
- C1-7 チャイルドシート(CRS)に適したリヤシート設計
- C1-8 対歩行者衝突時の頭部保護に関する研究
- セグメント2(C2):アクティブセーフティに関する研究
- C2-1 緊急操舵回避(AES)の機能と評価に関する研究
- C2-2 緊急自動ブレーキ(AEB)評価用のASEAN諸国の走行速度分析
- C2-3 対歩行者AEBのための歩行者死亡事故分析
- C2-4 夜間のAEBに関するスタディ
- C2-5 スマートヘッドライトのための道路分析
- C2-6 カメラを使ったシステムのための防眩に関する研究
- C2-7 二輪車向けの安全技術に関する研究
- C2-8 車線維持装置や標識認識の実現可能性および効果に関する研究
- セグメント3(C3):事故の研究やヒューマンファクターに関する研究
- C3-1 ASEANにおける追突事故の調査
- C3-2 ASEANの気候が車の挙動や運転に与える影響
- C3-3 ASEANにおける暗闇に関する研究
- C3-4 最適な警告音に関する研究
- C3-5 ASEANでの救急車の安全走行
- C3-6 ASEANにおける中古車の安全基準
- C3-7 女性や高齢ドライバーを含むドライバーのタイプ別の分析
- C3-8 ASEANでの乗員の乗車位置に関する研究
- C3-9 将来のASEAN NCAPのための自動運転の調査
- C3-10 ASEAN NCAPの評価基準見直しのための事故調査
【その他の議題として】
- ASEAN NCAPの2017年-2020年のアセスメント概況。(以下はアセスメント概況)
- ASEAN NCAPの Labeling制度。(以下はラベルサンプルと表示位置)
- マレーシア国内におけるチャイルドシートの認証システム
- OASIS(Overall ASEAN market Safety Improvement for Scooters)二輪車(スクーター)のための安全基準を作ろうというプロジェクト(※キックオフミーティングは2020年4月を予定と発表されたが、今の世界情勢を鑑みると変更する必要がある。)
などの説明があった。/p>
最後にOEM、研究者、安全技術、その他ASEAN NCAPに貢献した人を表彰するASEAN NCAP Grand Prix 2020 & AASF 2020を2020年12月8日にマレーシアのPangkor Islandで開催することが発表された。
同時にASEAN NCAPの2012年-2020年の新車評価プログラムをまとめた「ASEAN NCAP 2012–2020 Results Compilation book」3000部を発行することも発表された。