最新情報

第9回「2022 NCAP & Car Safety Forum in Tokyo」開催さる。
Euro NCAP Roadmap Map 2023-2030発表!
大きく変わる仕組そして評価軸、protocol、rating

Euro NCAP Road Map 2023-2030決定後、世界で初めてのConferenceにおけるPresentationが第9回「2022 NCAP & Car Safety Forum in Tokyo」において行われた。
それは評価サイクルが2年から3年へ変更、評価テストが80に増加するなど、評価軸、protocol、rating等々に関して大きな変更が加わった内容であり、Euro NCAP Rating Chief DirectorのProf. Andre Seeckによって深く丁寧な解説がなされた。

(写真:Andre Seeck氏のプレゼンテーション)

12月5日Sustainable Communications, Inc.主催の第9回「2022 NCAP & Car Safety Forum in Tokyo」がホテル・ルポール麹町で開催された。
3年ぶりのFace to FaceのForum開催で2020年2021年とOnlineでの開催であったが、本年10月のEuro NCAP board meetingでの決定内容が大変革であることから、急遽Rating ChiefのAndre Seeck氏が来日しPresentationをすることが決まった。

評価軸、protocol、ratingとみな大きく変更されたが、特に大きな変革は評価サイクルが2年から3年への変更ということだ。これは安全性をより追求したprotocolとメーカーの開発速度を考えた結果ということだ。
2026年から2030年の評価軸、protocol、ratingに関してはまだ未定なものも多いが、とにかく評価テストが80に増えるということを考えると、今後も十分この決定の推移を注視する必要がある。

Presentationは、まず2022年からEuro NCAPのメンバーにAustriaとNorwayが加わったとの話から始まった。
AOPに関してMPDB and Compatibility Modifier、MPDB and Brain Injury Criterion、Pole Impact:Occupant-to-Occupant (O2O)、Rescue, Extrication & Safetyなどのprotocolの説明がありRescue, Extrication & Safetyに関してはratingが加算された。
COPに関してはDynamic Performance Front、CRS Based Assessment、Vehicle Based Assessmentなどのprotocol の説明が行われ、特にChild Presence Detection (CPD)関しては詳細の説明があった。そしてCPDに関して2023年から4ポイントのratingがされる。
VRUに関してはPassive SafetyのPedestrian Adult Head、Pedestrian Child Head、Cyclist Head、Leg form などのprotocolの説明がありそれぞれratingが加算された。
Active Safetyに関してAEB/ESS Pedestrian、AEB Reverse Pedestrian、AEB/EES Cyclist、AEB PTW、LSS PTWなどのprotocolの説明がありそれぞれratingの変更や加算があった。
Safety Assist (SA) に関してはOccupant Status MonitoringのSeat Belt Reminder (SBR)などのprotocolの説明がありAEB JA 、AEB Head-Onにratingの加算があった。
Driver State Monitoring (DSM)は詳細の説明がありOwl type movementとLizard type movementに分けてDriverの特性が分析された。
Speed Assist Systems (SAS)やAutonomous Emergency Braking (AEB)についての説明も行われた。
以上のPresentation中には相当数新規のprotocolが含まれていた。

2026年以降に関してはSafe Driving、Crash Avoidance、Crash Protection、Post Crash Safetyと4つのフェイズで総合評価システムの構築を行うと発表があった。
総合評価システムには加重とバランスが重要で、アシスト・自動・自律運転の課題も踏まえ新しい評価方法と技術に基づく更新が必要となる。
それと共に商用車の安全性向上も目指し2026年以降3年サイクルで乗用車との評価軸、protocol、ratingの完全一致を進めていくとの方針説明もされた。

(写真:Andre Seeck氏と参加者の質疑応答)

参加者からの質問では評価サイクルの変更理由や、評価テストの今後の軽減についての質問も出たが、これは安全性を追求した評価軸、protocol、ratingである事が改めて説明された。

(写真:Onlineディスカッション)

最後にAndre Seeck氏、IIHSのDavid Harkey氏、CATARCからはZhang Yunlong氏を含めて4名が参加しOnlineでディスカッションが行われた。
その際CATARCから最近の動向が紹介されたが、Euro NCAPのprotocolを参考にしているCATARCからAndre Seeck氏へ様々な質問がなされた。

(写真:Andre Seeck氏、主催者、参加者の懇親会)

そして、NCAP & Car Safety Forum in Tokyoで毎回会議終了後に開催される懇親会では、Andre Seeck氏と参加者の懇親を図るとともに、より深い質問をすることができたようだ。

先にも言及した通り、今回の改訂はかなりインパクトがあるものだが、2026年以降に関しては概要が決まっているだけで各WGからの詳細は上がってきていない。
おそらく、来年4月に横浜で開催される第27回ESV国際会議でも詳細がPresentationされるかは不明だ。
Sustainable Communications, Inc.はそれを注視し、いち早く情報を入手し関係機関からのPresentationの機会を得るための活動をしていくことが使命と考ている。

最新情報の一覧へ