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Expert roundtable discussion in support of 7th UN Global Road Safety Weekがロンドンで開催された。

5月15日〜21日まで世界各地で開催されていた7th UN Global Road Safety Weekの中核イベントとなる当会議は、Mission Zero 2050 - Rethinking Mobility, Safe System and Sustainable Transport - A Paradigm Shiftをテーマに世界各国(主にヨーロッパ、中央アジア、アフリカ)からの参加のもと開催された。

開催概要

開催日:2023年5月16日火曜日、09:00 - 13:00(現地時間)
主催:Towards Zero Foundation & EASST with the support of European Bank for Reconstruction and Development
テーマ:Mission Zero 2050 - Rethinking Mobility Safe System and Sustainable Transport - A Paradigm Shift
会議スケジュール:

09:00 - 09:05Welcome from EBRD
Ebru Yildiz, EBRD
09:05 - 09:15Welcoming remarks
Lord George Robertson, FIA Foundation
09:15 - 09:25Rethinking Mobility
Etienne Krug, WHO
09:25 - 09:45Merging Paradigms - Safe System & Avoid+Shift+Improve
Iain Cameron, TZF
David Ward, TZF
09:45 - 10:05Backcasting & Vision Zero Planning
Jess Truong, TZF
Johan Strandroth, Lösningar/Strandroth Inc
10:05 - 10:15Mission Zero 2050
David Ward, TZF
10:15 - 11:00Group Discussion
Facilitator - Jess Truong, TZF
11:15 - 12:00Group Discussion continued
Facilitator - Serghei Diaconu, EASST
12:00 - 12:15Conclusions and next steps

当会議は国連が提唱するMission Zero 2050 - Rethinking Mobilityを推し進めるための専門家会議で、5月15日〜21日まで世界各地で開催されていた7th UN Global Road Safety Weekを支援するものとして開催された。

Mission Zero 2050 - Rethinking Mobilityとは持続可能なモビリティの実現を目指す国際的なイニシアチブ。このイニシアチブは、2050年までに道路輸送におけるゼロエミッション(Zero Emissions)、ゼロ交通事故(Zero Accidents)、ゼロ交通渋滞(Zero Congestion)を達成することを目標としている。

当会議の参加者は UNECEが主催する Inland Transport Committee (ICT)の流れを汲んでいるため、中央アジアやアフリカからの参加者が主体であった。

会議はEBRD、FIA Foundation 、WHOからの話から始まり、Towards Zero Foundationから「Safe System and Sustainable Transport: A Paradigm Shift」に関するプレゼンテーションが行われた。

これは、伝統的な交通安全のアプローチでは、交通事故を防ぐために車両や道路の安全性を向上させることが主眼とされてきた。しかし、交通事故の発生をゼロにするためには、単に車両や道路の安全性を向上させるだけでは不十分であることが認識されてきている。そのため、安全なシステム(Safe System)と持続可能な交通(Sustainable Transport)の統合が重要視されるようになってきている。
安全なシステムのアプローチでは交通事故が発生しても重傷や死亡が少なくなるような環境を構築することを目指すことが重要で持続可能な交通のアプローチでは、交通システムの環境への負荷やエネルギー消費を最小限に抑えることを追求していく必要がある。
という内容のものであった。

参加者からはそれぞれの国々の事情も踏まえた意見や質問があった。
議論の中で参加者と主催者側(WHO 、FIA Foundationも含む)の考え方が食い違っている所も見受けられた。ヨーロッパ先進国が推し進めるモデル(スウェーデンモデルなども含む)がEmerging Countriesの事情を汲みきれていない証左ではないだろうか。
また、Zero Emissions、Zero Accidents、Zero Congestionを押し進める必要のある国々の参加(インド、東南アジア諸国、ラテンアメリカなどが)が少なかったのも残念だった。
日本からの参加はSustainable Communications, Inc.だけではなかっただろうか。

国連が提唱するMission Zero 2050 - Rethinking Mobilityを推し進めるためには当会議もUN Global Road Safety Week自体も、もっと多くの国からの参加者を募り認知度を上げ、様々な国々の事情を鑑みた上で議論をしていく必要がありそうだ。

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