「ANCHOR IV」第4回会議 レポート
ASEAN NCAP 2026-2030のProtocolの全体像がほぼ固まる!
2023年7月24日(月)にマレーシアのMövenpick Hotel and Convention Centre KLIAでANCHOR IV 4rd Meetingが開催された。
ASEAN NCAP 2026-2030のProtocolがほぼまとまって来ている状況で、ASEAN NCAPから日本のANCHOR IVパートナーなどの参加者に向けて、体系的かつ個別重点項目についての説明が行われた。
プレゼンテーションは以下の7つが行われた。
- Side Impact Accident Data in Malaysia
- Overall Assessment Protocol
- AOP Assessment and Testing Protocol
- COP Assessment and Testing Protocol
- SA Assessment and Testing Protocol
- MS Assessment and Testing Protocol
- Presentation on the ANCHOR IV Project
Overall Assessment Protocolにおいて、4PillarsのAOP、COP、SA、MSのRatingの配分、各PillarsのStarごとの配分、そしてApplication of Fitment Rating Schemeとして4PillarsのItemごとのRatingが説明された。
*詳細は以下のファイル
「ファイル名:ASEAN NCAP 2026-2030 Overall Assessment_ANCHOR IV 4th Meeting.pdf」
AOP Assessment and Testing Protocolにおいて、サイドインパクトテストの際のMDBの重量や衝突速度の変更などが提案された。
ヘッドプロテクションサイドエアバッグ(HPI)を装備装着に関する提案などもされていた。
*詳細は以下のファイル
「ファイル名:Frontal & Side impact test towards 2026 protocol 23072023.pdf」
COP Assessment and Testing Protocolにおいて以下の4評価Itemの説明があり
- Dynamic Performance
- Installation of child restraints
- Vehicle based assessment
- CPD
特に以前から提案されていた、6歳と10歳の子供を対象としたManikinの導入が計画されそのProtocolについての説明があった。
*詳細は以下のファイル
「ファイル名:ASEAN NCAP PPT COP 24072023.pdf」
SA Assessment and Testing Protocolにおいて以下の5評価Itemの説明があった。
- SBR -Seat Belt Reminder
- EBA -Effective Braking Avoidance
- AEB -Autonomous Emergency Braking
- LS -Lane Support
- SAT - Advance Safety Assist Technology (Rear Cross Traffic Alert Multi Collision Brake (MCB) /Driver State Monitoring (DSM) /Speed Assistance System/ CCFtap /CCCsep/ AEB Pedestrian)
*詳細は以下のファイル
「ファイル名:2026-2030 Safety Assist Protocol v1 24July2023.pdf」
MS Assessment and Testing Protocolにおいては以下の6評価Itemの説明があった。
- BST/BSV
- ARV
- AHB+ADB
- Pedestrian Protection
- AEB MC
- ADV MST
以前から提案されていたAEB MCに関しては、新たな評価項目として6point加算される事になる。
*詳細は以下のファイル
「ファイル名:NEW PROTOCOL FOR MS_ANCHOR MEETING.pdf」
あと残すところ2回の会議で(2023年10月5日、2024年2月6日)2026-2030のProtocolが決定され、2024年4月1日に発表される事になる。
今回の会議の中のPresentation on the ANCHOR IV Projectの発表で気になる研究発表があった。以下がその内容で、これはマレーシアにおける事故データを元にしている。
- マレーシアの道路交通事故の50%はオートバイライダーが関与している
- オートバイライダーが関与する事故のうち30%(平均)が致命的
- オートバイライダーの致命的事故の50%(平均)は頭部のけがが関係している
- ヘルメットを着用しているオートバイライダーの76%(平均)が重度の頭部けがを受けている
- ヘルメットを着用しているオートバイライダーの70%(平均)が亡くなっている
- オートバイと自動車の事故のうち41%(平均)は前面衝突
- オートバイと自動車の事故のうち17%(平均)は側面衝突(右/左)で
- オートバイと自動車の事故のうち58%は車のボンネットとの衝突が考えられる
以上を踏まえて、オートバイライダーの頭部への衝撃評価のテストを導入すべきでは? という内容のものだ。
以前と比べると全体の交通事故の中での二輪車の事故率が下がったようだが、これはヘルメット着用率が上がったことが寄与しているかもしれないが、そのヘルメットの着用の仕方に課題があるかもしれない。
交通事故による死者を減らすためには、ヘルメットの着用率の向上、安全技術の向上だけで解決するものではない。
Sustainable Communicationsはその最善の策を探求し提案をして行くつもりだ。
**詳細インフォメーションの掲載PPTファイルは、以下のリンクからダウンロードしてご覧ください
https://cloud.miros.gov.my/cloud/index.php/s/82XwGs2ED54qRbk