Sustainability Talk 002

危険を理解させ、危機管理を行なうために。

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また、根本的な問題として、人々のリスクに対する理解の欠如も挙げられます。ヘルメットの着用、シートベルトの着用、飲酒運転問題、スピードの出し過ぎの問題。どこにでも存在する問題です。そして、それぞれの国をよく見て、何が一番の危機かを把握する。そして、それに取組むには、まず、一番の危機とされることからはじめるのです。もしそれがアジアの国ならばヘルメットの問題、東ヨーロッパの国ならばスピードの問題、アフリカの国ならば、基本的な交通教育そして基本的な交通インフラの問題、となるでしょう。

アフリカでは、死亡事故の50%が車道と分けられていない歩道で起きているのです。それは、これまで一切ライフルを見たことがない村を歩いている時にライフルが突然発射されるのに、とても似ています。何も彼らを助けるものがありません。

グローバルな安全の構築のために、我々が行なってきたことは、成功した国々からその知恵を世界に広めることです。

我々は、スピード、飲酒運転、シートベルト等に関するマニュアルを持っています。そして今、我々は40余年をかけ、幾千のスタッフ、数百万ドルにおよぶ予算をかけて蓄積した知識を1冊の本にまとめ、まだ経験のない国へ行き、彼らを支援しています。

40年という時間はいらない。彼らは1年、2年、あるいは3〜4年でそれを得られるのです。

良い例をお話ししましょう。

サハリンでは日本から大きな支援をいただいたおかげもあり、シートベルトキャンペーンを大成功させました。僅か3%だった着用率が、ほんの4年で80%まで向上したのです。40年ではない、4年ですよ。

これは、大変よい例です。あなた方がすでに得ている知恵によって世界の国々を支援できるのです。

日本の企業は、こうした国々が基本的な危機について学び、理解をすすめた上で危機管理を行なえるようになるために、とても大きな支援ができると思います。

なぜなら、日本は、もっと難しい局面を乗り越えてきたではありませんか。戦後の経済復興、そして経済大国としての成功。40年前、日本には「カミカゼ」ドライバーが道を走っていましたが、あなた方はその問題も解決し、今、より高度なクルマ社会を築いています。

今、そのスキル、技術を世界に移植するときではないでしょうか。