小川和久(前編)
Wshington DC / USA
自動車のナビゲーションシステム、通信についてはいかがですか。
ナビについては日本のものがいいと思います。
私のクルマのナビは、一応は日本のメーカー製となっていますが欠陥品ですね。
実走してつくっていないことがわかってしまった。
地図自体は昭文社だったのですが、高速道路の出口が逆に表示される。これは大事故を招きかねない。
使い勝手、操作性よりも、安全の観点からしっかり実走し、間違いがないかどうかをチェックすべきです。
一方通行の道で逆走のコースを案内するなどもってのほか。
問い合せるとヤナセは「安全運転はドライバーの責任」と言ってきました。
米国で裁判を起こそうかと考えていますよ(笑)。
私はトヨタのファンと言うわけではないですが、レンタカーを借りるときはたいていマークXで、そのナビは説明書も何もなくても簡単で誰にでも使える。
それがいいのです。
ナイトヴィジョンのシステムも、歩行者や障害物を避けることが出来ても、衝突しないで止まらなければ意味がないと考えます。
日本は技術の優秀さに目を奪われて、本当に押さえるべきことをはずしているところがあるのではないでしょうか。
ところで、小川さんは日本の医療体制にも危機管理の観点から警鐘を鳴らしておられます。地域の医者不足が解消されていない中、それを医療のデリバリーでカバーしようとする救急ヘリ、救急医療があります。これについては。
まず政府としてだめですね。
久留米大学病院の坂本教授と、補助金を使った画期的なシステムを構築しようとしていた所で政権交代になりました。
これまでの補助金のシステムは株のインサイダー取引に相当します。
内輪の人間でしか利益を得られない。
その情報をもらえる立場にいて、その補助金が来たらハコモノを作ろうという業者にしか手に入れられないのです。
6月に補正予算が決まり、7月半ばからインターネットで提案を募集するが、その締切りはなんと2週間後。
2週間で絵を描いて提案ができる外部の人間がどこにいますか。
インサイダーでしかあり得ません。
そして、民間には提案能力がありません。
私は、以前から具体的に提案をしてきましたが、「然るべきところ」で「然るべき提案」をしないと実現しないのです。
2007年に航空医療学会への提案を、まず幕張で、翌年には松江でもスピーチしましたし、総務省、厚生労働省にも投げたのですが、全てつまみ食いで終わり、まとまって完成することがありません。
妊婦のたらい回し事件を原点として考えだしたその構想は、ドクターヘリを用いた救急医療を突破口に、産科婦人科の対応、それを中心とした少子化対策へと同心円状に広げていく提案です。
どこかの会社1社でも実現できることです。
自動車会社でもできることです。