小川和久(前編)
New York City / USA
面白いですね。海外でも、政府の役人と話すことがありますが、彼らがいるのは首都だけではありませんね。
霞が関は今の状況なら、自転車があれば課長クラスの人間が役所間を行き来できますから、それでもよいのでしょう。
防衛省など最悪ですよ。
主要部署が一つのビルに集まっている。
飛行機がつっこんで来たらどうなるのか。
つまり、リクスの分散についての思想がない。
アングロサクソンの世界には「ひとつのバスケットに卵を入れるな」という教育があります。
子供がお手伝いをしようとして卵を取りに行く。
いっぺんに運ぼうとして転んだら、相当ダメージがある。
だが手間暇を惜しまずに何度かに分けて運べば、もし一度転んでも大したことにならないと、子供の時から教えます。
それが彼らの危機管理の基本ですが、日本にはありません。
これも典型的な例ですが、「航空自衛隊の戦闘機を1種類にしたらいい、その方が合理的だ」と石破元防衛大臣が言い出し、航空幕僚監部が青くなって説得したという話があります。
彼らには苦い経験があるからです。アメリカでF-15が事故を起こし、世界中のF-15が飛行停止になってしまった。
同じ時期、日本では国産のF-2が事故を起こし飛行停止になってしまった。
それで日本でスクランブルを取る体制はファントムだけになってしまった。
それでもファントムがあってよかった。
もしF-15だけしか無かったら…。
機種は3、4種あった方がいいのです。
予算や管理の面で1機種が合理的でも、危機管理からみると危険です。