Cologne / Germany
今日、「World Car」というものは存在しません。
「Just as One Car」が5つ星の評価要件を満たしているのです。
もし我々が物理的にそのようなことをするとしたら、クルマが必要以上に重くなったり、燃費を上げたり、二酸化炭素排出量を増やすことになりかねません。
そのため実際には、我々は常に可能な限り良い評価を受けることと、可能な限り命を守ることとの間に、妥協点を見出さなくてはならないのです。
しかし、我々は最終的には命を守ることを最も重要視するのです。
ところが、5つ星評価に関するヨーロッパ、アメリカ、日本における違いは、ヨーロッパやアメリカなどどこででも、もっと多くの命を守ることにはなりません。
ヨーロッパにおいて5つ星評価を受けたmarket specific design は、アメリカにおいては異なるということを理解していなくてはなりません。
たとえばアメリカにはfull front crash がありますが、ヨーロッパにはまだありません。
また、ヨーロッパで存在する歩行者保護要件は、アメリカにはありません。
それぞれのクルマは異なっているように思えます。
だから、other manufactは安全や人々を守ることに役立っていないのです。
従って、アイデアは、消費者テストや法的なレギュレーションといったレギュレーションのハーモナイゼーションのためにあるべきなのです。
着目すべき点の一つは、ある消費者グループがハーモナイゼーションに関心がないことです。
というのも、実際、リクワイアメントを完全にハーモナイズさせれば、我々は「EuroNCAPのテストを既に受けたので、日本や中国、韓国でさらにテストを受ける必要はありません。これらの国でも同じ結果が得られるからです」と言うこともできます。
そして、このtest instituteはそれ以上のテストを行なう必要がなくなります。
しかし、彼らはこれらのテストを少しだけ異なるものにすることに興味があります。
それによって同じテストをもう一度行なうことができ、もちろん、そこでお金も発生するからです。
だから、リクワイアメントをハーモナイズさせるのは非常に難しいのです。
Munich / Germany
私は、人間が国によって大きく異なり、交通も異なるとは思っていません。
私は、リクワイアメントをハーモナイズさせることは可能だと思っています。
しかし、考え方や着目点の違いが影響して、ハーモナイゼーションが進まないのでしょう。
グローバルNCAPはまだ正式に組織されていませんが、非公式な形で、互いに集まって検討することができます。
アメリカで求められること、ヨーロッパで求められることなどを、どのようにしてまとめ、協調させるか、それぞれのテストにどう反映させるかなどについてです。
それは大変重要な第一歩となるでしょう。
我々はそれを支援したいと本心から思っています。
そうは言っても、たとえば日本、アメリカ、ヨーロッパなどの国々は、クルマの開発における最先端であり、安全に関しても同様です。
仮に、マレーシアに行くとしましょう。マレーシアではニーズも違います。
しかし全てのクルマが現在のヨーロッパと同様の機能を持つとしたら、それは全く異なるレベルの安全ももたらす非常に素晴らしいステップとなるでしょう。
だから、インドやマレーシア、ラテンアメリカあるいは中国などの国におけるハーモナイゼーションが、もしヨーロッパのリクワイアメントに適応できるとしたら、彼らにも大変有益だと思います。
一方、ヨーロッパやアメリカ、日本では、リクワイアメントは増え続けますし、そのリクワイアメントによって、それらの低価格生産の国々においてもクルマはより高価なものになっていきます。
それらの国々はそれに追いつこうとしますが、日本、アメリカ、ヨーロッパではさらにリクワイアメントを増やし続ける。
我々は、そのギャップがどんどん大きくなっていくことも配慮しなくてはなりません。
世界的な展望は、もっとよくなるでしょう。
ヨーロッパのように、リクワイアメントを増やすためにではなく、クルマのスタンダードが世界に貢献するためであれば。
中国の全てのクルマが、ヨーロッパやアメリカ、日本と同じスタンダードであるべきです。
インドのクルマも同様です。
そうなることによって、世界中の多くの命を守ることができるのです。
このことを、我々は常に考慮していなくてはなりません。
「UN decade of action for road safety」は、次の言葉で大変よいアプローチをしています。「我々は世界中の命を救いたい。ひとつの地域、少数の命のためでだけでなく、多くの努力とお金をクルマに投資して、世界を変えたい。しかし、大多数を救えるのはどの地域だろうか。そう考えれば、インドやラテンアメリカといった地域の交通をもっと向上させなくてはならない。」これはおそらく、世界的展望から見れば、より効果的な方法だと言えるでしょう。
これが、私が今、考えていることです。