Sustainability Talk 004

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New York City / USA

現在、アメリカの路上で事故が起きる最大の原因は何ですか。

死亡事故の40%はアルコールです。これは大きな問題です。
アメリカでは日本よりはるかにアルコールに関する問題が多いのです。
我々と自動車メーカーが共同でやっているプログラムをご存知ですか。アルコール技術に関する、ドライバーにはわからないような、信頼性のある技術で、息を検出するものと皮膚を検査するものがあります。汗ではなく皮膚に光を当ててアルコールを検知する技術です。エンジンをかける前に危険値以上の値を検知するとエンジンはかかりません。
新しい技術は、世の中にどれくらい受け入れられるのかという側面が出てきます。
アメリカはアルコールに関して寛大で来た国なので、北欧や日本という厳しいところと比べるとアメリカ人は飲酒運転が悪いという認識がありません。少しずつ変わっては来ていますが、それが現状です。
去年の統計ではアルコールによる事故死亡率が9.7%下がりました。61年以来、最低率です。記録を取り始めてから、最も低い数字になりました。

「最も危険な事故の要素はスピードだ、スピードが遅くなれば飲酒運転もカバーできる」という考え方もありますが。

結果としての損傷の程度が変わるでしょうね。
スピードリミットは道路の能力ですから、どんな運転に耐えうる道か、それによるでしょう。
これは私の私見ですが、アメリカではオーバースピードが非常に多いのですが、これには理由がふたつあると思います。
一つは、現在の車の能力が遥かに優れたものになっていること。したがってドライバーが意図的に下げた最高速度というのはあまりうまくいかないでしょう。
もう一つは、ドライバーが走っている道が相当な速度に耐えられるだろうと考えてしまうこと。アメリカでは最大の死亡率が起こるのはハイスピードの道でなく田舎道です。これは状況からして許される速度を超したスピードで運転しているために起こっています。
これは極めて重要なポイントです。

最高速度を下げる試みがあってもいいのではないですか。

理屈としては仰る通りですが、これも、どういうふうに人々が受け入れてくれるかですね。