Sustainability Research 006 ジョニー・スヴェドルンド(前編)

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Göteborg / Sweden

先程、制限速度の情報の更新が遅れるという話をうかがいましたが、今日本ではもうありません。日本をはじめ、スウェーデンにもヨーロッパにもそれぞれ優れた技術があると思うのですが、そうしたことをまとめて吸い上げる機関や会議はないのでしょうか?

ヨーロッパにはないですね。
しいて挙げれば、先ほど出たトムトム社ぐらいでしょうか。市場力(マーケットパワー)の支配次第です。
そうしたことをまとめる役所、官庁や機関はありません。

非常に残念なのですが、こういったクルマから拾った情報を総合してまたクルマに返すプロジェクトは非常にお金がかかります。日本ではそれを搭載したクルマだけでも相当の数のデータがとれますし、その間の通信も行なえばかなりのものが出来ると思うのです。
しかし数もそうですが、それをやるために、実験を行なってスリップやブラックスポットの情報を集積して、ユーザーに配布するのに年間で数億円の費用がかかります。なので、なかなか日本全国に広げることはむずかしい。ただ、そちらの方に進むのが正しいのであれば、世界中でそうしたプロジェクトを進める方向に行けば良いと思っているのですが。

クルマ、車両に関する産業内での協力はすごく難しくて、何年も前から始めているE-コールというプロジェクトがあります。
交通が情報を流通するというサービスがありますが、E-コールはクルマからセンターに情報が寄せられるものです。
E-コールはそういった方向に向かったプロジェクトの最初のものでした。
他の情報もそのシステムで協力出来るようになればと思ってはいます。

2013年から、新しいクルマは112、つまり日本で言う110番に事故があった時にクルマから通信が発信出来るような装置をクルマに装備しなくてはならないということになりました。
クルマの居場所やクルマに関する情報などを発信出来るものです。
先程おっしゃった実験で行なわれているような情報に比べて非常に簡単な情報ですけれど。
フランスとイギリスはまだ署名していませんが、EUコミッションで2013年に施行出来るようにEUの指示を出す方向にあると思われます。