国連やEU、WHO、FIAが推進している「Road Safety Decade of Action」
キャンペーンは、アメリカではどのように受け止められているのでしょうか。
そして、その成果は。
Alexsandria / Virginia / USA
2000年以前は、セカンダリーローのある州はたぶん10州ほどだったと思います。
そこで2001年から私が退任した2006年の5年間に、セカンダリー・ロー施行を本当にプッシュして10州から26州に増やすことができました。
そして世界中で250万人の人々が、そしてアメリカでは42,000から43,000人が交通事故で死亡していることから、この国際道路安全会議「Road Safety Decade of Action」が生まれました。
2003年か2004年に、私は「交通事故は癌やインフルエンザ、心臓発作などと同じ深刻な問題であり、国連はなんらかの措置をとるべきである」と国連総会で述べました。
そして、2005年に国連総会の承認を得て、国連はこの課題の対処に世界保健機構WHOを任命しました。
2008年、ロシア大統領がモスクワで国際道路安全会議を開こうと提案、2009年11月に我々はロシアのモスクワで第一回世界道路安全閣僚会議を開いたのです。
そこで私は、ポルトガルの運輸大臣に会って話したことを覚えています。
ポルトガルでは、人々はこの15年ぐらいしかクルマを運転していないので運転の経験が浅い。
だから一人当たりの交通事故死率が非常に高い、という話を聞きました。
道幅は狭く、運転する人はアクセルとブレーキの二つしか知らない。
ですから、道を運転していて突然何かを思い出して道の真ん中でUターンをして事故になる。
自分のしていることを考えていないからです。
ポルトガルでは交通事故死亡率がとても高く、それは人々が10〜15年しか運転の経験がないからだったのです。
いま、多くの国が安全性に関して何らかの措置をとる努力をしています。
よく私が耳にした一番の問題点というのは「道路安全に関して何かしたいのだが、国が貧しくてその余裕がない」というものです。
そして狭い道、基本的に一車線の道しかなかったりしますが、一車線でも時速40〜50マイルで走っています。
25マイル位で走行すべきところを40〜50マイルで走っているのです。
しかし、だんだんとより多くの国が何かしなくてはいけないという認識を持ち始めています。
ですから、今までにはなかったような多くのことが今なされていると思います。
New York City / USA
1987年に北京に行った時、北京の自動車台数は5,000台ほどだったと思います。
4,000台あまりが国家の所有で500台が個人所有。
今北京だけでも1千万台位になっていると思います。
これは、個人所有車ですよ。
当時はたくさん自転車がありましたが、今は自転車はなく、昨年4月に行きましたが、モーター駆動の自転車で、ペダル式の自転車の人はほとんど見かけませんでした。
私はつい昨日までモスクワに行っていて、昨日帰ってきました。
モスクワの周りは環状道路が走っており、これがモスクワ市内への幹線道路ですが、ダウンタウンに近づくにつれて駐車料金が高くなり、ガソリンも高くなるので、人々はモスクワの中心地へはなるべく行かないようにしています。
モスクワ中心地でアパートを借りるには許可が必要です。
許可がないと市内に住むことはできません。
このようにしてコントロールしています。
それでも市内に入ってくるクルマの数は増え続けています。
ここアメリカでは、不況以前の2006年までは毎年1,600〜1,700万台のクルマが年間販売されていました。
今年はおそらく全部で一千万台位だと思います。
アメリカでは大幅な減少ですが、中国では逆で大幅に伸びています。