Sustainability talk 13 久保田秀暢(後編)

EuroNCAPというものがありますよね。
昨年NCAP世界会議というのが日本でありましたが。
その時EuroNCAPから何人も来ていたんですが、今年もまた来たいと言うんですよ。
日本を取り込みたいというか、ヨーロッパがつくった基準に日本も加われと。
これは実はアメリカも同じように交渉して、アメリカのUS-NCAPも同じレベルで合意しようとしているんだという話をするんですよね。
それもきっと危機感が結構あるんだと思いますよ。

例えば、その危機感を逆手にとった対応を日本もしては良いではないかと思います。
今までどおり、ここで行なわれていることがすべての始まりのような、そんな考えを捨てることも必要かもしれません。

写真

Paris / France

先ほど、「EVはうまくいっている」と言われていましたが、それはどういう。

EV、電気自動車の基準は、昨年の1月に日経に出たように日本の基準が採択されて、衝突した際の安全基準も日本のものがほぼそのまま基準に入りました。
その理由は、日本にしか基準がなかったからなんです。
それを、ヨーロッパ勢からすると、中国、インドなどに広めていきたいということが多分あるんだと思います。
今、電気自動車が衝突した時や普通に使っている時の基準が出来ているので、それをどうGTR(Global Technical Regulations)という世界統一基準にするかという動きがありますが、アメリカが今のところ乗り気ではないので、あまりそこは進んでいません。

もうひとつはドイツが提唱したバッテリーの安全基準です。
中でもコアはバッテリーで、バッテリーが火災を起こしたり、液漏れを起こして爆発したりとか、あるいは高電圧関連を保護したりなど、電気自動車のバッテリーに特化した基準を作りたいということで、昨年の後半からドイツが音頭をとって議事を始めて、今のところ出ているところではそれほど無茶なことはない。
ダイムラーがやりたいことをいろいろと入れているのでしょうけど、思ったほどダイムラーも独自の意見をもっているわけではないという感じです。

ですから日本のメーカーからノウハウを出して、基準作りを進めている段階です。
まだ揉めたり、自分たちの基準を押し付けようという感じで議論が進んでいるわけではありません。
この先どうなるかわかりませんが。
今年末までに結論を出すと言っているので、何か出てくるかもしれませんが。

その他のトピックスは?

NCAPでいくと足のダミーでしょうか。
日本のつくったものです、あれが今年から入りますよね。
あれをこっちの基準に入れようというので、技術要件はだいたい固まったんですが、もともと世界基準に入れようとしていたんですが、あれもアメリカがまだへジテイトしている感じなので、先にECE規則に入るかもしれません。まだ、先が読めません。