Sustainability Research 18

私は、人間が国によって大きく異なり、交通も異なるとは思っていません。

クラウス・コンパス BMWグループ 車両安全担当副社長

写真:クラウス・コンパス

自動車と交通に於けるこれからの10年間は、今までに無いような早さとベクトルで革新が進む。
バワー、環境、通信、自動運転、安全、そして爆発的発展途上のモータリゼーション。
自動車メーカーは国際協調ハーモナイゼーションを、そして自動運転をどう見るのか。
BMWのコンパス氏に訊いた。

御社は夜間の歩行者検知システムを、2015年に市場に導入されるとお聞きしましたが。

そうです。現在、2015年に出すか、2016年に出すか検討しているところです。
今もって多くの検討事項、不明確な事柄があるのです。
先頃、ブリュッセルでEuroNCAPボードミーティングが開かれましたが、彼らのプランは、今我々が5つ星を目指して持っているlimitと同じもののようです。
20、21、22、23ポイントを獲得するには、歩行者に関する5つ星を獲得しなくてはなりません。
その程度のポイントに到達すれば、事故回避できる歩行者保護技術(Preventable Pedestrian Protection)を、紹介することが認められます。
それによってポイントを4あるいは5つ増やすことができます。
将来、5つ星を獲得するためには、そのポイントが必要になるのです。
プロトコルがどのようになるのか多くがまだ不明確ですし、我々が不明確と言っているのはそのためです。
最も考慮すべきは、もし彼らがアクティブセーフティを受け入れると、クルマメーカーはパッシブセーフティの開発を遅らせることになるかもしれないことだと考えます。
私は、このことについて、しっかり議論されていないと思います。
さまざまな理由のために、我々は現在持っているパッシブセーフティ技術を維持しなくてはなりませんが、EuroNCAPはクルマメーカーがパッシブセーフティを削減するのを大変懸念しています。
そのため、彼らは新たなシステムを紹介することに慎重なのです。

写真

Munich / Germany

5月24日にマレーシアで開かれたグローバルNCAPの会議で私が講演する機会がありました。
その会議には、世界の全NCAPの代表、すなわちEuroNCAPやUSNCAP、ChinaNCAP、またIIHSをはじめとする保険業界などの代表たちが参加しました。
私はクルマメーカーを代表して講演を行いました。
BMWとしてではなく、クルマ産業の代表として、です。
これは素晴らしい機会でした。なぜなら、世界的協調ハーモナイゼーションはとても重要だからです。
私は以前あなたに、一例として韓国について話したことがありましたね。
韓国KNCAPの人が「我々は、新たなものは何もつくっていません。ヨーロッパから、アメリカから、日本から少しずつ採用し、我々独自のNCAPをつくっています」と言っていました。
しかし我々は、次のことを念頭に入れておかねばなりません。
今日、クルマをデザインする上で5つ星を獲得するには、ヨーロッパにおける5つ星を獲得するための特別なことをしなければならないし、また、アメリカでも日本でも5つ星を獲得するための特別な開発を行なわねばならない、ということです。