Sustainability Research 008 クラウス・コンパス(前編)

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Vevey / Switzerland

例えば、今中国やインドではものすごい数の交通事故での死亡者が出ていて、BMWが今現在持っている安全技術で、パッシブとアクティブなものをすべて搭載したクルマを中国に輸出するとしたらかなりの事故が防げるようになるのではないかと思うのです。もちろんインフラとマインドが高まることが先だということもわかりますが、クルマが何十万台何百万台と売れていてこれからも売れていくわけですから。
中国やインドにもドイツや日本に売るのと同じようなファンクションを持ったクルマを販売しているのでしょうか。

コンパス: BMWはもちろん中国やインドにも同じクルマを輸出しています。
まったく同じように安全です。
ただし、その国ごとに法律の要求が異なるので、コンポーネントは多少変わっているところはあります。
しかしクルマ自体の安全基準に関してはまったく同じです。

そうすると高価になってしまうので、売れないのではありませんか。

コンパス: もちろんそれはひとつの理由ですね。
ヨーロッパでは10年前の安全の標準がインドでは現在の安全の標準となるわけですから。
インドが要求している安全より、我々の現在のクルマの安全性は非常に高いものですから、価格も非常に高くなっていまいます。

タタなどは20万円くらい2000〜3000ドルぐらいで販売しているわけで、それと競合しなくてはならないし、同じ道路を同じように走るわけですよね。

コンパス: まったく違う市場ですし、顧客もまったく異なります。

先程おっしゃったグローバル・ハーモナイゼーションにはタタなどは含まれないということですか?

コンパス: 私が言ったグローバル・ハーモナイゼーションとは、日本や欧州、アメリカ、オーストラリア、あるいは韓国、中国などとまずはハーモナイゼーションをするべきだと思っています。
これらの国ではすでに高い安全水準が保たれています。
その持っているものをハーモニー、調和化しようというものです。
ですから我々が現在持っている高い基準をインドに持っていこうとしてもそれはまったく今は無理です。

ホルツ: インドの場合は、今現在、クルマの大衆化、モータリーゼーションというもの、出来るだけクルマを皆さんに持ってもらおうという時期です。
我々が考えているのは、もうすでにクルマはあって、高い水準があるところを考えています。

コンパス: タタの場合は例えばヨーロッパの市場では売れませんよね。認可されませんから。
ですからタタなどはインドでクルマの大衆化を図っているわけです。

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フリードベルト・ホルツ Friedbert Holz

BMWグループ
広報・渉外部
プロダクトコミュニケーション担当

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