Sustainability Research 007 ジョニー・スヴェドルンド(後編)

願わくば、「安いだけではなく、ボルボの中にも小さくても安全なクルマをつくるという技術があるように」と思います。

ジョニー・スヴェドルンド スウェーデン運輸省交通局 ITS部長

写真:ジョニー・スヴェドルンド

これだけの技術があるのに、手をこまねいているのはもったいないですよね。
これから中国にモータリゼーションが来て、12億の民が10億の自動車を動かすようになったら、例えば先程申し上げたようなシステムがあれば、起きうる交通事故の半分くらいは助かるのではないかと思うのですが、そうしたことを考えなく良いのでしょうか。
国に干渉することにもなってしまうので何とも言えませんが、つくる方としての責任はなくて良いものなのかと感じます。

私たちスウェーデンには「0Vision」(交通事故死者を0にしようという国全体の具体的Initiative。現在世界中でこの概念が採用されている))などで、世界の交通安全大使のような役割を担おうというアンビションがあります。
ISOには交通安全のスタンダードがありますね。
ですから、中国で道路をつくる時にも、安全に関するスタンダードにしたがってつくらなければなりませんし、同じような基準はクルマ・車両そのものにも適用出来るわけで、もちろんユーロNCAPが基準の一つであるわけです。

私たちの世界の交通安全大使としての役割として、一つはスウェーデン側が、世界銀行が中国などへのインフラなどの投資の援助金などを出す時に、こうした基準を遵守するという要求をするとか、ただ単にアスファルトを塗ってしまうのではなく、こうした基準を守るなど、そうした形での安全を目標とする要求はディスカッションの中でスウェーデン側から提起しています。

中国のクルマについてはどうなるかわからないですが。
ボルボまで買いましたからね。
願わくば、「安いだけではなく、ボルボの中にも小さくても安全なクルマをつくるという技術があるように」と思います。