Sustainability Talk 005

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Wiesbaden / Germany

カーメーカーの方も、自動車のスタンダードを検討する会議に来なかったりします。ところが、決まったところで来る。

決まったことを勉強して、それにあわせる。
あわせるスピードさえできていれば、というのは従来の日本型企業です。
つくるコストは出せないが、つくれば一番うまくアダプトできる、それが一番安上がり。それは過去の実績としてそうかも知れませんが、これからもそうかと言うとわかりません。

GMが世界の会社だったと思うのは、そういうところに出てきて、決まりそうなものを覆すくらいの勢いで自分の主張をして、世界標準を作っていました。

それでもだめになっちゃいましたね。結果としてGMが正しかったのか、日本が正しいのか、もう少し長い目で見ないとわかりませんね。

もっと未来についてですが、2030年過ぎに生産量としてピークオイルを迎えるという話ですが、そこを見つめながら脱オイルに向かっていきますが、30年くらいになったときに、再生可能エネルギーや風力や太陽光などというものがどのくらい、世界の何パーセントくらいになるでしょうか。

450政策シナリオというものがあります。
450政策シナリオは、「大気中の二酸化炭素濃度を450ppmで、温暖化を気温2℃上昇で安定化させるという、今回のコペンハーゲンでやろうとしているものですが、そのシナリオの2030年で見ると、150億トンの二酸化炭素排出をビジネス・アズ・ユースで落とさなければいけない。
OECDで3分の1、非OECDで3分の2を落とさないといけない。
非OECDのほうが成長するからです。
何を使うかというと、まず54%が省エネ、再生可能エネルギーが23%、原子力9%、CCSが14%。
そうすると何が起こるか。
電力では、水力を入れて40%まで行く。水力はもっと増えるでしょうが、我々は風力ももっと増えると見ていますし、太陽光も伸びるかもしれない。原子力は15%から18%に伸びる。ガスはちょっと減り、石炭が大幅に減る。
このようにならないと二酸化炭素は減りません。
中国で燃やす石炭を、CCSで隔離する、または石炭をやめさせるということをやらないと二酸化炭素は減らない。この場合に、どれくらい設備投資が必要になるかというと、450政策シナリオになった時の今との比較ですが、原子力のキャパシティが現在の1.8倍必要です。
世界中で400余の原子力発電所がありますが、それをほぼ倍増するということになり、年間20基くらいの原発を毎年つくっていかなければいけなくなる。水力も2倍。
100万キロワットの水力発電所を毎年50基ずつつくらないといけない。
風力タービンは13倍、1万8千基毎年増やさなければならない。
これだけやらないと450政策シナリオは達成できないのです。
こんなの冗談じゃない、できない、というなら、25%削減、50%削減など言わないほうがいい。これくらいできないと、経済成長を維持した上で削減はできないよということなんです。
要するに、「成長と二酸化炭素削減のデカップリングは、今の技術プラスアルファぐらいではできませんよ」ということです。技術的に革命的なことが起こって、全く二酸化炭素が出ないようなことがあれば別ですが、2030年までたかだか20年、今芽のあるもの以外にものすごく大きな活用はできないんじゃないでしょうか。現実的に絵を描くのなら、こういうことじゃないかと思います。
ほんとに、たいへんですよ、これ。

参考資料