Sustainability Research 009 クラウス・コンパス(後編)

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Munich / Germany

それはどこまで進んでいるのですか?

一つの問題は、とにかく長期にわたってこの技術に投資しますよね。しかし何年か後でないとその技術を搭載しているクルマが隣にいるということがないということです。
カー・トゥ・カー・コミュニケーションでも同じです。
日本の場合のカー・トゥ・カー・コミュニケーションは少し違っていて、日本にはインフラがあって料金所等での通信を使って出来ますよね。
しかし、他の国ではそうしたインフラがありませんからカー・トゥ・カー・コミュニケーションは非常に難しい。
技術的には問題がありません。無線ランの技術を使ってカー・トゥ・カー・コミュニケーションは問題なく出来ます。
ただし、技術的には可能ですが、クルマに搭載するというところでは問題が出てくると思います。

我々はもっと良い方法として携帯の移動無線を使います。クルマ自体をそのステーションにしてしまいます。そうすれば電話が出来るだけではなく、情報収集バックアップセンターに情報が行って、そのバックアップセンターが放送局のようになって、その地域にいろいろな情報を与えることができるのです。
例えば「どこかで工事現場があるとその地域のクルマから移動無線でバックアップセンターへその情報が行くと、そこからその地域のクルマに対して情報が行って、その2km先に工事現場がありますよという情報を与える」と。
我々は将来カー・トゥ・カーよりもそうした移動無線を使った技術の方が良いと考えています。

まだそれは実現していないのでしょうか?

コンパス: 部分的にはすでに実現しています。
例えばBMWのクルマにはそういう機能があり、データがサービスセンターに送られます。「そのクルマがどこにあって今現在20kmあるいは30kmの時速で走っている」そういうものが何台もあればそこは渋滞になっているとわかって、情報が行くということです。
BMWのコミュニケーションのパケットとしてそうした技術は搭載されています。

日本では先程おっしゃったITSのインフラが整っているので渋滞や事故情報はクルマのナビやラジオに入ってきます。日本ではナビゲーションシステムがすべてのクルマにあると言っていいぐらいですし、そのナビでいろいろなものと通信が出来る形になっているので、ナビメーカーもそれを採用しているカーメーカーも、カーメーカー独自の通信システムを使わなくても良いような形にはなっています。

コンパス: 日本と違って我々にはインフラがありませんから、インフラについては我々メーカーとしては何も出来ない、それは国・地方自治体がしなくてはならない。 ですから我々がまず出来るものからというとこういったものとなるのです。